高圧ガス関連の国家資格試験の概要について
これまでの記事では高圧ガス製造保安責任者などの資格内容についてお伝えしてきました。これら高圧ガス製造保安責任者および販売主任者、液化石油ガス設備士は国家資格であり、試験に合格し、免状を取得することで所定の業務を行うことが可能になります。本記事では、それらの国家試験の概要についてお伝えします。科目数や試験の実施者、出題形式など、基本的な情報はこちらで押さえておきましょう。
■高圧ガス関連国家試験の試験科目
高圧ガス関連の国家試験は、2022年3月現在、それぞれ、以下のように試験科目数が定められています。
・高圧ガス製造保安責任者 法令・保安管理技術・学識の3科目(ただし、第三種冷凍機械には学識なし)
・高圧ガス販売主任者試験 法令・保安管理技術の2科目
・液化石油ガス設備士試験 筆記試験:法令・配管理論等の2科目。その他、技能試験は前述の筆記試験に合格された方が受験
上記のように、3分類されたうえで、資格ごとに異なる科目設定がされています。
■試験実施者
高圧ガス関連の国家試験は、資格によって試験実施者が異なります。試験実施者は試験・資格の種類により「経済産業大臣」と「各都道府県知事」とに分かれます。
試験実施者は重視する意味がなさそうに思えますが、合格発表時や免状申請の手続き時に、認識しておくことはプラスになります。
まず、合格発表時には、数ある試験を「大臣試験」「知事試験」とに分類したうえで、さらにそれぞれの資格ごとに分類して発表することが通例ですので、ご自身が受験される試験の実施者を知っておけば、迷わずにすむでしょう。
また、免状申請時も合格発表時同様、「大臣関係」「知事関係」などと分類したうえで、申請書や申請手数料のやり取りをすることになります。
●試験実施者:経済産業大臣
・甲種化学責任者免状に係る試験
・甲種機械責任者免状に係る試験
・第一種冷凍機械責任者免状に係る試験
●試験実施者:都道府県知事
・乙種化学責任者免状に係る試験
・乙種機械責任者免状に係る試験
・丙種化学(液化石油ガス)責任者免状に係る試験
・丙種化学(特別試験科目)責任者免状に係る試験
・第二種冷凍機械責任者免状に係る試験
・第三種冷凍機械責任者免状に係る試験
・第一種販売主任者免状に係る試験
・第二種販売主任者免状に係る試験
・液化石油ガス設備士責任者免状に係る試験
■出題形式
出題形式は、基本的に選択肢の中から正答を探す「択一形式」がほとんどですが、一部、記述式の試験や、技能試験もあります。それぞれ、「法令」「保安管理」「学識」の最大3科目、加えて、一部の資格に技能試験が課されます。
略称 | 法令 | 保安管理 | 学識 |
甲種化学 甲種機械 第一種冷凍機械 |
択一式 | 択一式 | 記述式 |
乙種化学 乙種機械 丙種化学(液石) 丙種化学(特別) 第二種冷凍機械 |
択一式 | 択一式 | 択一式 |
第三種冷凍機械 第一種販売 第二種販売 |
択一式 | 択一式 | ー |
液化石油ガス設備士 | 択一式 | (配管理論等) 択一式 |
ー |
※液化石油ガス設備士試験は上記の筆記試験の合格者に対する技能試験があります
■受験手数料
受験手数料は2022年3月現在、受験される資格によって異なります。
略称 | 受験手数料 | |
電子申請 | 書面申請 | |
甲種化学 甲種機械 第一種冷凍機械 |
12,700円 | 13,200円 |
乙種化学 乙種機械 第二種冷凍機械 |
8,800円 | 9,300円 |
丙種化学(液石) 丙種化学(特別) 第三種冷凍機械 |
8,200円 | 8,700円 |
第一種販売 | 7,400円 | 7,900円 |
第二種販売 | 5,700円 | 6,200円 |
液化石油ガス設備士 | 20,900円 | 21,400円 |
■まとめ
ここでは高圧ガスに関連する国家資格概要を簡単にまとめました。受験を検討する際、概要を押さえる必要がある場合は是非本記事で押さえておいてください。