高圧ガス販売主任者「第一種販売主任者」「第二種販売主任者」とは
高圧ガスの販売主任者の資格には、「第一種販売主任者」と「第二種販売主任者」の2種類が存在します。
いったいこれらにはどのような違いがあり、取得時にはどういったメリットがあるのでしょうか?
当記事では、第一種と第二種の職務範囲の違いや取得時のメリット、資格の取得要件(免状取得と実務試験)と届け出先の違い、試験や講習の概要について解説します。
■第一種販売主任者
第一種販売主任者は、LPガスを除いたすべての高圧ガスの、保安・管理責任者を務めることが可能になる国家資格です。
資格を取得することで、LPガス以外の高圧ガス販売に携わる企業に就職できる可能性が高まります。具体的には、高圧ガス設備の営業・保守の仕事に就く際に有利になるでしょう。
ただし、実際の業務を行うには資格を所有しているだけでは無く、6か月間の実務経験が必要になります。
資格は試験合格で取得でき、試験科目は以下のようになっています。
基本的にはこれら2種類の科目を受験する必要がありますが、講習受講により試験が免除になる制度も存在します。
高圧ガス保安協会の講習を受講し検定に合格すると、「保安管理技術」の試験が免除されるのです。
そのため、「法令」のみの受験に合格すれば資格取得が可能になり、負担が非常に軽くなります。
講習は3日間で行われ、購入代金は一般申し込みで17,200円、インターネット申し込みで16,700円です。
また、試験の日程、受験費用、日程のデータ、合格基準は以下のようになります。
ちなみに合格率は以下の通り。受験者の約50%程度が合格しています。
試験に合格した後、販売主任者として業務を開始する際には、都道府県知事に届け出る必要があります。
届け出は事業開始の20日までに行うルールになっています。
資格取得のメリットとして、LPガス以外のあらゆるガス販売事業者において、責任者になれるということが挙げられます。
そのため、就職・転職に有利になり取得するメリットが大きいです。また、資格取得者のみに就職祝い金や、定期的な手当てが入る会社もあります。
就職先としては、ガス会社での営業・保守点検を行う会社が一般的です。
第一種販売責任者では、LPガス以外の高圧ガスを取り扱うため、一般企業よりもむしろ法人相手の取引が多いと考えられます。
高圧ガスを取り扱う事業は無くならないため、仕事に困ることはなく安定した年収が得られるでしょう。
■第二種販売主任者
第二種販売主任者は、取得によりLPガスの主任販売者を務められるようになる国家資格です。
第一種と第二種の違いは、取扱いできるガスの種類だけであり、上下関係は一切ありません。
資格を取得することで、LPガスの販売を行う会社に就職できる可能性が高いでしょう。
具体的には、LPガスの販売業者で、営業や保守の分野に従事することになりそうです。
第二種販売主任者の試験科目は、以下のようになっています。
このように通常2科目を受験する必要がありますが、第一種と同様に講習受講により、試験が免除される仕組みがあります。
「保安管理技術」が免除され、「法令」のみの受験で資格取得が可能になるのです。
講習にかかる時間や費用も第一種と同様。講習機関は3日間で、購入代金は一般申し込みなら17,200円、インターネット申し込みの場合は16,700円です。
試験の日程、受験費用、日程のデータは以下のようになります。
受験料は第一種と異なるものの、試験日や受験資格、合格基準は同じであることが分かります。
また、第二種販売主任者の合格率は、以下表のようになっています。
合格率は55%程度で、第一種よりも若干高い水準であることが分かります。
第一種販売主任者と同様、販売主任者の選任時には、その旨を都道府県知事に届ける義務があります。
資格取得のメリットとして、LPガスを取り扱う業種での就職に有利になる点が挙げられます。
また、就職時には資格保持者への祝い金を受け取りできたり、就業中に資格手当が受け取れたりすることもあります。
第二種販売主任者はLPガスを取り扱うため、工場などの法人のみならず、一般家庭を相手にガスを販売することも多くなります。
そのため、景気などに関係なく需要があり、収入は安定するでしょう。
■まとめ
高圧ガス販売責任主任者には第一種と第二種の2種類があります。
どちらも高圧ガスの販売責任者になれる資格ですが、扱えるガスの種類には違いが存在しています。
そのため、どのような企業に就職したいかにより、適切な資格を選択しましょう。
一種・二種両方に共通しているのは、どちらも需要が高い資格だということ。
そのため、ガス販売会社への就職時に有利になる可能性が高く、取得する価値があると言えます。