高圧ガス製造保安責任者講習(冷凍)について
高圧ガス関連の資格は、所定の要件を満たした場合、一部の試験科目を免除することが可能です。具体的には講習を受講することでその講習に対応する試験科目が免除されるわけですが、免除制度の在り方は、資格の種類によって異なります。
本記事では、「高圧ガス製造保安責任講習(冷凍)」について説明していきます。具体的には第一種冷凍機械、第二種冷凍機械、第三種冷凍機械の講習についてです。
■講習と資格の全体観
他の記事でも述べましたが、高圧ガス製造保安責任講習(冷凍)について述べる前に、そもそも高圧ガス関連の資格と講習の全体観について押さえておきましょう。資格の種類は、
①甲種化学
②甲種機械
③乙種化学
④乙種機械
⑤丙種化学(液石)
⑥丙種化学(特別)
⑦第一種冷凍機械
⑧第二種冷凍機械
⑨第三種冷凍機械
⑩第一種販売
⑪第二種販売
があり、うち①~⑥を「高圧ガス製造保安責任者(冷凍以外)」、⑦~⑨を「高圧ガス製造保安責任者(冷凍)」、⑩~⑪「高圧ガス販売主任者」と大きく三つに分類されます。この三つの分類ごとに講習による免除制度が組まれております。
今回の記事は「高圧ガス製造保安責任者(冷凍)」ということで、⑦第一種冷凍機械、⑧第二種冷凍機械、⑨第三種冷凍機械の製造保安責任者講習について述べていきます。
また、①~⑥の「高圧ガス製造保安責任者(冷凍以外)」についてはこちらの記事を、⑩~⑪の「高圧ガス販売主任者」についてはこちらの記事を併せてご参照ください。
■受講対象者・種類・根拠法
高圧ガス製造保安責任者講習(冷凍)は、前項目の⑦~⑨、つまり「高圧ガス製造保安責任者(冷凍)」に応じた講習です。第〇〇種冷凍、とそのまま冷凍というキーワードが入るので、わかりやすいですね。具体的には、⑦第一種冷凍機械、⑧第二種冷凍機械、⑨第三種冷凍機械に該当するものです。試験の難易度は、高いものから順に第一種>第二種>第三種です。
受講対象者は「冷凍に関する製造保安責任者免状を取得したい方で、国家試験科目の一部免除を希望される方」となっています。これらの制度は冷凍以外の製造保安責任者の根拠法同様、「高圧ガス保安法 第31条 第3項」によって認められているものです。
今回ご説明する「高圧ガス製造保安責任者(冷凍)」の責任者講習については、⑦第一種冷凍機械と⑧第二種冷凍機械については、国家試験で合格を目指すとなると「法令」「保安管理技術」「学識」の3科目を国家試験で受験することになりますが、⑨第三種冷凍機械だけは、「法令」「保安管理技術」の2科目になります。講習受講と検定試験合格により、⑦第一種冷凍機械と⑧第二種冷凍機械については「法令」以外の「保安管理技術」「学識」は免除、⑨第三種冷凍機械は「保安管理技術」が免除、ということになり、いずれも「法令」は国家試験での受験が必要となります。
■講習内容・形式・検定試験・受講受検料
講習科目は、⑦第一種冷凍機械と⑧第二種冷凍機械は共通、⑨第三種冷凍機械は他と異なります。
⑦第一種冷凍機械と⑧第二種冷凍機械は「法令」「保安管理技術」「学識」の3科目を受講することになり、講習時間は3日間、各科目7時間ずつとなります。
他方、⑨第三種冷凍機械は「法令」「保安管理技術」の2科目を受講することになり、⑦⑧と比較して科目は少ないですが、講習時間は同じく3日間になり、「法令」7時間、「保安管理技術」14時間となります。
講習の修了に際しては、検定試験が行われます。検定試験は⑦第一種冷凍機械と⑧第二種冷凍機械は「保安管理技術」「学識」の2科目のみで、「法令」については行いません。⑨第三種冷凍機械は「保安管理技術」の1科目のみです。ただし、いずれも、3日間の講義を受講しないと、検定試験を受検できませんので、ご注意ください。
受講受験料は資格の種類と申込方法により異なります。
・第一種冷凍機械 29,600円 (インターネット申込 29,000円)
・第二種冷凍機械 25,400円 (同24,900円)
・第三種冷凍機械 20,000円 (同19,500円)
(令和3年10月1日実績)
■開催地
開催地は資格の種類により異なります。
・第一種冷凍機械は年1回開催(4~5月頃に全国5ヶ所程度で開催予定)
・第二種冷凍機械は年2回開催(2月頃と6月頃に全国20ヶ所程度で開催予定)
・第三種冷凍機械は年2回開催(2月頃と6月頃に全国35ヶ所程度で開催予定)
となっており、詳細スケジュールは個別に確認するようにしましょう。
例えば、
東京のでは令和4年の上期の場合、
・第一種冷凍機械 4/11-13、5/11-13の2回(インターネットによる申込期間2/28 ~ 3/20)
・第二種冷凍機械 5/27 ~ 6/17の間で開催(インターネットによる申込期間4/11 ~ 5/1)
・第三種冷凍機械 5/27 ~ 6/17の間で開催
となっております。
■まとめ
以上、高圧ガス製保安責任者講習(冷凍)について述べてきました。講習受講による一部試験の免除を考えている方は、こちらを参照頂き、ご自身のスケジュールでどこならば受講可能なのか、確認しておくようにしましょう。