高圧ガス製造保安責任者「甲種化学責任者」「甲種機械責任者」とは
今回は、高圧ガス製造保安責任者「甲種化学責任者」「甲種機械責任者」について紹介します。具体的な用途と試験の難易度、合格率などを解説するのでぜひ参考にしてみてください。
■甲種化学責任者とは
甲種化学責任者は、高圧ガス製造保安責任者のうちの一つです。石油コンビナートなどの高圧ガス製造所の製造に係る保安業務を行うのに必要な資格になります。選任できる免状は、保安技術管理者、保安主任者、保安係員、販売主任者、移動管理者、取扱主任者、容器検査主任者のすべての製造に関する保安者に携われます。
甲種化学責任者の合格率
2020年度の甲種化学責任者の合格率は、受験者数711人に対して合格者345人で『48.5%』です。
合格率でいえば甲種は合格しやすいと思われがちですが、実は高圧ガス製造保安責任者の中でも一番難易度が高くなります。
甲種化学責任者の資格取得方法
甲種化学責任者になる方法には2つあります。
1.国家試験:11月に実施される国家試験で3科目すべてを合格する方法。
2.講習・検定二科目+国家資格一科目:毎年4〜5月に実施される講習(3日間)を受講し、5月に実施される学識・保安管理技術の検定試験に合格。さらに11月に実施される国家試験で法令だけ合格。
上記の3つをクリアすると晴れて資格取得になります。
以上から2つのルートから甲種化学責任者になれるのです。
甲種化学責任者の難易度
甲種化学責任者の試験では、「法令」と「保安管理技術」の択一式、「法令」の記述式です。
法令と保安管理技術は暗記問題ですが、法令は記述式のため計算や公式を理解してないと点数が取れません。化学の計算問題では、単位計算や自然対数の積分などが出題されるので解き方を覚えていないと解けないため、難易度が高くなります。試験内容も高校〜大学1年生程度の化学の知識が必要です。
■甲種機械責任者とは
甲種機械責任者は、高圧ガス製造保安責任者のうちの一つです。石油コンビナートなどの高圧ガス製造所の機械に係る保安業務を行うのに必要な資格になります。選任できる免状は、保安技術管理者、保安主任者、保安係員、販売主任者、移動管理者、取扱主任者、容器検査主任者のすべての機械に関する保安者に携われます。
甲種機械責任者の合格率
2020年度の甲種機械責任者の合格率は、受験者数1,006人に対して合格者502人で『49.9%』です。
甲種機械責任者は、甲種化学責任者よりも合格率も高く、難易度も少しだけ下がります。しかしながら、他の高圧ガス資格の中でも難しい分類に入るので注意しましょう。
甲種機械責任者の資格取得方法
甲種機械責任者になる方法には2つあります。
1.国家試験:11月に実施される国家試験で3科目すべてを合格する方法。
2.講習・検定二科目+国家資格一科目:毎年4〜5月に実施される講習(3日間)を受講し、5月に実施される学識・保安管理技術の検定試験に合格。さらに、11月に実施される国家試験で法令だけ合格。
上記の3つをクリアすると晴れて資格取得になります。
以上から2つのルートから甲種機械責任者になれるのです。
甲種機械責任者の難易度
甲種機械責任者の試験では、「法令」と「保安管理技術」の択一式、「法令」の記述式です。
資格取得だと2番目の講習がある方が難易度少し低くなります。その理由としては、講習の中で5月にある検定の試験問題の傾向を教えてくれるといったことがあるからです。
1ヶ月の間で1日7時間の講習を3回受けられる方にはお勧めですが、7時間以内で退出するとノーカウントとされるので気をつけましょう。
検定では学識を解く問題での公式の暗記が必要であり、5年分の過去問を暗記・理解できれば合格は難しくはありません。
検定後の国家試験は法令のみのため、こちらも解答の暗記で十分です。
■まとめ
今回は、甲種化学責任者と甲種機械責任者についての記事を書きましたがいかがでしたか。
甲種は、高圧ガス製造保安責任者の中でも最も難しい資格といわれています。そのため、保安業務で行われる役割はすべての業務に携われ、扱えるガスの種類と制限がなくなるの働く上でも大きなプラスとなるでしょう。