高圧ガス販売主任者とは
高圧ガス関連の国家資格は高圧ガスや液化石油ガスの事故・災害を防ぐために設けられました。大きく以下の4種類に分かれ、高圧ガス販売主任者はその中のひとつです。
●高圧ガス製造保安責任者
●高圧ガス販売主任者
●液化石油ガス設備士
●LPガス関連の資格
この記事では「高圧ガス販売主任者」について解説していきます。
■高圧ガス販売主任者の概要
高圧ガス保安法および液化石油ガス法に基づく国家資格です。試験科目は「法令」「保安管理技術」の2科目で、誰でも受験することが可能です。
高圧ガス販売主任者の免状を取得すると、高圧ガス保安法および液化石油ガス法が定める販売業務に就くことができます。販売事業所や家庭用LPガスの販売所で保安を担うことになります。
高圧ガスの販売所では高圧ガス販売主任者を選任することが義務づけられており、資格者の需要は高いでしょう。
■高圧ガス販売主任者の種類を知ろう
扱える高圧ガスがLPガスなのかLPガス以外の高圧ガスなのかによって、以下の2種類の資格があります。
①第一種販売主任者
LPガス以外の高圧ガスの販売事業所において、販売にかかわる保安の統括的または実務的な業務に就くことが可能です。
LPガス以外の高圧ガスとは、アセチレン、アルシン、アンモニアなど一般高圧ガス保安規則第72条第1項に列挙される高圧ガスを言います。
②第二種販売主任者
LPガスの販売事業所において、販売にかかわる保安の統括的または実務的な業務に就くことが可能です。LPガスの販売は工業用か家庭用かによって、根拠となる法令が異なります。
●工業用のLPガス販売主任者(高圧ガス保安法)
工業用のLPガスを販売する事業所で販売主任者として業務に就きます。
●家庭用のLPガス業務主任者(液化石油ガス法)
家庭用のLPガスの販売所の業務主任または業務主任代理として業務に就きます。
■高圧ガス保安法の法定責任者と選任できる免状の種類
①、②の免状によってどの法定責任者に就くことができるのかを表にまとめました。
保安技術管理者 保安主任者 保安係員 販売主任者 移動監視者 取扱主任者 容器検査主任者
保安技術管理者 | 保安主任者 | 保安係員 | 販売主任者 | 移動監視者 | 取扱主任者 | 容器検査主任者 | |
① | × | × | × | 〇※1 | × | 〇※1 | × |
② | × | × | × | 〇※2 | × | × | × |
〇:選任可、×:選任不可
※1:LPガス以外のガスに限り選任できる
※2:LPガスに限り選任できる。LPガス法の業務主任者は第二種販売に限定されている
出展:高圧ガス保安協会
https://www.khk.or.jp/qualification/national_qualification/examination/examination_range.html
■事前に講習を受けると一部科目を免除
高圧ガス保安協会が行う講習を受講し検定に合格した場合は、試験科目の「保安管理技術」が免除され、「法令」のみの受験で資格を取ることが可能です。講習費用など詳細は以下のサイトをご覧ください。
出展:高圧ガス保安協会
https://www.khk.or.jp/qualification/national_qualification/examination/examination_exemption.html
■まとめ
高圧ガス販売主任者は高圧ガスの販売にかかわる保安を担う需要の高い職種です。高圧ガス販売主任者の資格は高圧ガスの種類によって2種類あり、どのような事業所または販売所で業務に就きたいかによって自分に向いている資格を選びましょう。
また、高圧ガス製造保安責任者の資格のうち甲種化学責任者、甲種機械責任者、乙種化学責任者、乙種機械責任者の免状を取得している人は、高圧ガス販売主任者の資格要件も満たしています。また、丙種化学(液化石油ガス)責任者の免状を取得している人は、LPガスの販売が可能です。